Excelでリストの作成時注意したいこと2/2(表の構造統一編)
今回は、Excelでリストを作成する際に重要なもう一つのポイント、「表の構造を統一すること」について説明します。
重要な意識
Excelでリストを作るときに重要なこと「表の構造を統一する」ことです。
表の構造を統一しておくと、フィルター、並べ替え、関数、ピボットテーブル、データベースへの取り込みなどがしやすくなります。
前回お伝えした「書き方の統一」と同様に、これを意識して作成するかどうかで、リストの使い勝手は雲泥の差になります。
Excelでリストを作るうえで重要なのは、次の2つです。
- 書き方の統一
- 表の構造を統一
表の構造を統一とは
大まかにいえば「1セルに1項目の情報を入れる」ということです。
具体的には、以下の点を意識します。
- 1行には1件のデータを入力する
- 1列には1種類の情報だけを入れる
- 見出しは1行にまとめる
- 表の途中に空白行や空白列を作らない
- 表の中でセル結合をしない
- 「部品名」「色」「仕様」など、あとで分けて使いたい情報は別の列にする
①1行には1件のデータを入力する
1行には、1件分のデータだけを入力します。
たとえば、1つのセルや1行の中に複数のデータを入れてしまうと、フィルターを使用した際に、別々の項目として正しく認識されない場合があります。
また、関数で合計などを算出する際も、複数の情報が混在しているセルは正しく集計できません。
その結果、誤った集計結果が表示される可能性があります。

②1列には1種類の情報だけを入れる
1つの列には、1種類の情報だけを入力します。
たとえば、「部品名」「色」「仕様」「数量」などは、それぞれ別の列に分けます。
1列の中に複数の種類の情報が混ざっていると、フィルターや集計を行う際に扱いづらくなります。
③見出しは1行にまとめる
見出しは、できるだけ1行にまとめましょう。
リストを見るときは、全体を俯瞰して確認することが多いと思います。見出しが長すぎたり、複数行に分かれていたりすると、その分だけ列の幅や行の高さが必要になり、他の項目が見づらくなります。
そのため、見出しはできるだけ簡潔で分かりやすい表現にするのが望ましいです。
④表の途中に空白行や空白列を作らない
表の途中に空白行や空白列を作らないようにしましょう。
空白行や空白列があると、フィルターをかけたり、表をコピーしたり、一部を別の場所へ移動したりする際に、意図しない動作が起こることがあります。
Excelが空白行や空白列の位置で「表が終わっている」と判断する場合があるためです。
その結果、フィルターの対象範囲が途中までになったり、関数や集計の範囲から一部のデータが漏れたりする可能性があります。
⑤表の中でセル結合をしない
表の中では、セル結合をしないようにしましょう。
セル結合をすると、フィルター、並べ替え、コピー、ピボットテーブル、関数による集計などが正常に動作しなくなることがあります。
たとえば、下図のようにセルを結合している場合、品名は正しく見えていても、他の項目は上の行の情報しか認識されないことがあります。
合計を求める関数でも、「部品A・赤・15」しか認識されず、正しく集計できない場合があります。
そのため、データを管理する表ではセル結合は原則として避けるべきです。

⑥「部品名」「色」「仕様」など、あとで分けて使いたい情報は別の列にする
使いやすさの問題です。
下図だと[部品Aの総数]を知りたい場合、色が分けてあれば表を見に行かなくても別シートに集計用の関数を作ることで、すぐに数量を確認できます。
しかし、部品名と色が同じセルに入力されている場合は、簡単に集計できません。
表を確認し、フィルターで絞り込み、数量を目視で確認する必要があります。
小さな手間ですが、こうした小さなことが積み重なっていくと無視できない時間のロスと人的ミスにつながります。
なくせる手間は、できるだけなくしていくべきです。
Excelで情報をまとめるのは簡単なのですが、分けるのは手間がかかります。
最初からルールに沿って作成すると、活用の幅が広がり極めて使い勝手のいいリストが出来上がります。
まとめ
Excelでリストを作る際は、「表の構造を統一する」ことも重要です。
- 書き方を統一する
- 表の構造を統一する
この2つがExcelでリストを作成する際の基本となります。
前回と重なりますが、将来の自分や他の人が使いやすい形を意識して、汎用性のあるリストを作っていきましょう。
他の人の作業効率を上げることが、結果として自分の作業効率向上に繋がることが多々あります。
余談
現場オペレーターから在庫管理、購買、システム導入プロジェクトの業務に異動したときのことです。
前任者から在庫管理を引き継ぐことになったのですが、率直にいってかなり大変でした。
部品によって管理する人が違う。管理の仕方も違う。リストはあり注文数が記録されているが、重複があり空白もあってただ注文日と注文数を書いているメモでしかない。
現在庫は目視。総在庫は不明。適性在庫を調べようにもリスト化していないので、これまでの履歴を目で追って書き出す必要がある。なお、古いのは記録なしです。
部品は1700種類ぐらいあります。
正直、「これで管理していたのか」と驚きました。
誰が悪いという話ではないのですが、同じ部署になった先輩に少し愚痴をもらした記憶があります。
その後は関係者全員に、やり方を全部一新するというのを理解してもらって作り直しました。多大な時間を費やしましたが必要な作業でした。
せっかくリストを作ってくれていても、このように意味がなくなってしまいます。
これは在庫管理に限った話ではありません。ほかの業務でも同じことがいえます。
だからこそ、最低限「書き方を統一すること」と「表の構造を統一すること」を意識して、リストを作っていきましょう。